mesa – asama #008

still / stand シリーズ

数万年、数億年の時間を抱えた自然石のお香立て（インセンススタンド）。同じ石は存在せず、すべてが唯一無二の一点もの。全て、ひとつひとつ丁寧に手作業で穴をあけています。穴の深さや位置、角度は、その石に最もふさわしい形を選び取っています。

still / stand は、必ず石に灰が重なり、熱が伝わる作りになっています。火や灰の跡を石に残すことで、石の表情が変わり続け、あなただけの石に育っていきます。

<<石について>> 浅間石のお香立て。浅間石は、浅間山の噴火によって生まれた火山岩です。マグマが地表に噴き出し、無数の気泡を含んだまま急激に冷え固まることで、軽く多孔質な石となりました。深い黒の中には火山の力強さが宿り、ときに白い鉱物が混ざることで独特の模様が現れます。その表情は冷える速度や成分の違いによって生まれた、噴火の瞬間の記憶です。

本作は数々の抽象写真や抽象画を手掛け、各地で個展も開催している Tsuyoshi NAKATOMI の作品のひとつ。「自然と対話し、人間との間にある関係を開く」――そんな他のシリーズにも繋がる思想の中で still / stand もまた、人と石の関係を絶えず更新し続ける“開かれた彫刻”として存在しています。